砂漠の夜は冷えるらしい。スタイリッシュなラバリ族が暮らす砂漠、タール(Thar )砂漠は大インド砂漠 Great Indian Dessertともいう。インド・北東部、パキスタン東部にある砂漠。インダス川が砂漠の西方を流れ、かつて流域はインダス文明が栄えた。アラビア海との間にあるカッチ大湿地も含め,砂漠はなんと日本の本州の面積に匹敵する。年間降水量は250mm以下。点在するオアシスにジョードプル、ビーカーネール、ジャイサルメールなどのオアシス都市が発展している。(出典 Wikipedia)砂漠のイメージは、太陽が照りつける細かな熱い砂が延々と砂紋を拡げる不毛な土地。タール砂漠の日中は、真っ青な広大な空には雲はなく太陽の光は砂漠に降り注ぐ。砂漠の砂は熱しやすく冷めやすいという。その為太陽が沈む砂漠には放射冷却作用で冷えた空気と本当の闇が広がる。そんな条件下で暮らすラバリ族のストール『ルディ』はやけに長く、大きく、そして重い。刺繍の量や絞り紋様の有無、裾部分の幾何学模様の量によって未婚、既婚、寡婦などの着用者の状態を区別することができる。結婚儀礼から二児出産までの既婚女性の被り物「ホワガデイ.ルディ」が最も華やかで家族の成員が増える程に装飾部分はシンプルになる。寡婦は無装飾の黒い「ジミ」を着用する。出品のルディは2枚の布を綴じあわせたセンターには立体感のある円形の紋がランダムな間隔を空けて並んでいる。その紋の中央はことさら堆く盛り上がっており中心には小さなミラーが縫い付けられている。この華やかさから、本品のルディは婚礼儀礼用に作成されたホワガデイ.ルディであることがわかる。「部族」の衣装には、意匠を超えた意味があり、身近な事物を抽象的なパターンで縫い付ける。砂漠の夜を照らす月光を受けて光るミラー片。闇夜に蠢く魔物の眼を射る光芒一閃を放つ。一方の端はオレンジに近い黄色片方は朱色端部分が色違いのルディは珍しい。ダークな色調を基調に絞り染めで複数色を配置布地の両端に色鮮やかな色調でミラーワーク日除けとして,砂塵避けとして、また夜間の寒さ避けとしての役目を果たす多機能な布。ラバリ族のアイデンティティを示す布。 ビジュアルイメージは写真10サイズ 99cm×276cm